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http://www.koukouseishinbun.jp/articles/-/5554
この選手は、中学3年生の時に100mハードルで長野県で行われた全国大会へ出場しています。しかしそこでは予選落ちでした。
高校からは400mハードルを中心に競技するようになり、その競技で1年生の時からインターハイに出場。2年の時には400mとともにダブル入賞、そして3年生の今年は400mハードルでなんと高校日本一に輝きました。(400mも7位入賞!)
この選手、なぜ取り上げたかというと、実は教え子なのです。前任の中学校でハードルの選手でした。自分の意志をしっかりと持ち、目標に向かって突き進んでいくスタイルは、今も昔も変わらないと思います。
このレースをLIVEで見ていたのですが、優勝したとたんに、うれしくて涙が止まりませんでした。今回はみなさんに紹介するとともに、後半戦の戦い方にも触れたいと思い、記事にしました。
【負けん気で花開いた中学生時代】
1年の時に試しにエントリーした100mハードルで、見事に1年生ながら都大会の参加標準記録を突破して、都大会に駒を進めました。
しかし2年時の地域別大会のレースでリズムを崩し、都大会への切符を掴むことはできませんでした。行けると思っていた都大会に思わぬ壁が立ちはだかったのです。
この大会後の私の厳しい一言で、彼女のどん欲さが変わって成長していきました。毎日毎日悔しさをかみしめながらの練習。夏を越えた頃からどんどん頭角を現し、そしてその年の支部対抗の2年女子100mハードルで優勝しました。
3年の時は、東京都強化選手に指定され、同じ目標を持つ仲間と共に練習を重ねました。絶対に負けたくないライバルもいて、良い刺激になっていたようです。そして、地域別大会で追風参考でしたが、初の14秒台となる14秒55。通信大会の予選で14秒64を出して全国大会参加標準記録突破を果たすことになります。
悔しさをバネにして成長した津川選手の力が、とても素晴らしいと思っています。
【中学の時のPrideより抜粋】
=大阪室内ジュニア陸上競技大会に参戦して=
残念ながら予選敗退となりましたが、津川選手は3年間で本当に強く育ってきた選手だと思っています。
小学生時代はハードルと800mなどに出場。はちおうじT&Fトライアルの大会記録保持者でした(小学共通800m)。
1年から地域別は100mハードルに出場。17秒21で夏の都大会へ。そして2年連続で同種目での都大会出場を目指しましたが、都大会への壁がレース中にハードルのリズムが合わなくなると言う、思わぬところで立ちはだかり、苦汁をなめました。しかしそこから持ち前の負けん気で夏にしっかりと鍛えて、秋の支部対抗の2年女子100mハードルでは、15秒09で見事な優勝を飾ってカムバックし、東京都強化選手になり関東合宿も経験しました。
東京のトップレベル選手との冬季鍛錬をこなし、3年の地域別大会では追風2.4mと参考記録ながら14秒55を叩き出しました。そして通信大会でついに14秒64(+1.3)を出し、全日本中学の標準記録14秒85(当時)を突破。念願の全国大会の切符を勝ち取りました。全国大会は出場するも、雷雨中断という思わぬ敵が現れ、予選落ち。その後、東京ジュニア大会でユースハードル(YH)に挑戦し、14秒69(+0.9)を出しましたが14秒60のジュニアオリンピック標準記録にはわずかに届かず、出場は叶いませんでした。しかし14秒69は、2016年度の全国中学生ランキング22位です。本当に素晴らしいことです。
(はちおうじT&Fトライアルで14秒88=大会新記録樹立)
3年最後の支部対抗大会では、町田選抜として4×100mリレーで準優勝、100mユースハードル3位と大活躍。そして大阪室内の出場となりました。こうして日本陸連が主催する競技会に出場できるまでになったということは、一朝一夕には成り立たないものです。ここまで本当にいろんな経験をして、悔しさに涙を流したこともたくさんありました。しかしその都度がむしゃらに、貪欲に、練習を積み重ね、ここまで大きい存在になってきたのです。どうか自分を褒めてあげて下さい。
中学時代、エースとしてチームをけん引し、チームだけでなく東京全体にも少なからず「津川効果」があったように思います。トップ選手たちは絶対に「瑠衣には負けたくない」という気持ちで戦い、その結果全日本入賞を果たしているのですから。でも、その選手たちの目標達成を目の当たりにしている津川選手は、高いレベルであっても悔しい思いをずっと積み重ねていますね。
まだまだ成長途中。あともう少しだけ悔しい思いをするでしょう。でも必ず、色々な経験が全てプラスに動くようになります。そのことを感じ始めたら、それがジャンプアップするきっかけとなり、いつかは日本一になることも決して夢ではありません。
3年間、そしてキャプテンとしても十分仕事をしてくれました。少しの間だけですが体と心を休めて下さいね。
お疲れ様でした。そして本当にありがとう。
「小さなことを積み重ねることで、いつの日かとてつもない事ができるようになる」
みなさんにはこのことを伝えたいですね。津川選手は、中学で掲げた目標が成し遂げられなかったことや、高校での毎日の「勝ちたいと思う気持ち」、そして自分に対してのふがいなさがモチベーションとなり、少しずつ彼女の体を突き動かしていったのです。同じチームの仲間や、東京で同じ種目でしのぎを削っているライバルたちも、津川選手にとってはモチベーションを持続するためのもう一つの大きな存在でした。それらが自ずと質の高い練習を積み重ねて行く要因となっていったのです。
そして今回のインターハイ。すべてを出し尽くす覚悟で挑みました。その結果、ついに私が予告していた日本一になったのです。
しかしみなさん、誰もがこういう道をたどれるわけではありません。ただ、毎日の1本1本にどのような思いを込めて積み重ねて行くのか、そうでないかによって、1ヶ月後、半年後、1年後にはとてつもない差になっているのです。それを理解して欲しくて記事にしているのです。
シーズン後半を迎えるにあたって、みなさんもしっかりと目標を持ち、どうしたいのかを強く念じて、それを凡事徹底して毎日の1本に挑むことが大切です。
津川選手、あらためて、インターハイ優勝本当におめでとうございます。
(なお、津川選手はこのブログのハードルの練習方法のモデルもつとめてくれています。)
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