3年女子の1人の選手が、学校対抗大会での「4mの忘れ物」を取りに行った。
学校の練習では学校対抗の前日に脚を投げ出す着地姿勢をようやくマスターして、実測で何回も4m超えをしていた。
しかし、学校対抗の本番では助走の課題が出て4mを超えるもファウルになり、公式記録では4mを下回って、思い通りの結果が出ずじまいだったからだ。
「4mを超え、中学での競技を終える。」そう決意して臨んだであろう、はちおうじトライアル。
助走合わせ練習では調子を上げていたので本番用に7cm下げさせたが、1本目は走りが硬くなってしまい、踏み切り板に届かなかった。
アドバイスを言いに行った時、その選手は涙目になっていた。
しかし、心を奮い立たせるしかなかった。そこで出た言葉はこうだった。
「○○(その選手の名前)、今まで、厳しい練習を積み重ねてきたんだろう? 練習はウソをつかないから大丈夫だ。オレはファウルしても4mを超える姿を見たいんだ。ファウルを怖がっちゃダメだ。さぁ行けっ!」
2本目。完全に気持ちが切り替わっていた。
そして、1〜2cmの惜しいファウルだったが4m15あたりまで跳んでいた。
3cm下げて臨んだ3本目。うまく踏み切り板に乗ってファウルではなかったものの着地足が揃わず前後になり、3m72。
前足は4m30まで行ってたのも事実だった。
しかし、最後まで4mを跳ばせてあげられなかった監督としての不甲斐なさが、心の底からこみ上げてきた。
ただ、「残念」と思えることは「伸びしろがある」ことではないだろうか。そしてその選手の力をこれからもさらに信じていくと決めた。
まだ陸上を始めて数年だ。これからもどんどん伸びて欲しい。
そして強豪チームの一角をそっと崩すような、まずはそのハートを身につけていって、大きくなって欲しいと願っている。
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